May 16, 2011

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【僕たちのプレーボール】日本製紙石巻硬式野球部

 本多修平投手(23)が、みんなの気分を盛り上げようと、念入りに準備したJ−POPのBGMが河南(かなん)球場に流れる。台風の影響か、竜巻のような砂ぼこりが三塁側から一塁側へと吹き抜けた。

 7月21日。選手らは大声を出しあって実戦形式の練習に汗を流していた。

 震災前、掛川キャンプに出発して以来、約5カ月ぶりに帰ってきたホームグラウンド。石巻市の郊外にある市営の河南球場は震災後、長く閉鎖されていた。震災の影響でハエも多いが、白いチョウがバッティングケージにたわむれる姿に心がなごむ。

 「ほっとしました。この2カ月間、日本各地の球場をお借りして練習させていただいてありがたかったんですけど、やっぱり、ここが一番。のびのびやれますね」。沖山勇介投手(23)はようやく白い歯を見せた。

 「都市対抗」の1次予選宮城県大会まで1週間を切り、選手たちは最後の調整に余念がない。朝9時から始まった練習は午後1時には終了。しかし数人は自主的に残って打撃練習を繰り返していた。

 ◆いつもスタンドに姿

 「お帰り!」。石巻市の高台にある南光寮。

 22人の独身の選手が生活する寮の管理人、伊藤勇喜(68)は、練習から戻ってきた選手一人一人に声をかける。

 「最初来たころは弱くてね。情けないなと思ったもんだよ。でもそのときの礎があるから、いまがあるんだ」

 試合で好投した投手の南條正也(21)には「これからは南條様って呼ぶぞ」。4番打者の濱田正輝(23)には「おまえらしいバッティングが出てきたな。上昇気流だね」。副主将の川畑依啓(よりひろ)(26)には「みんなをうまく引っぱれよ」。

 沖山にはこう言った。「去年の都市対抗では(球速)149キロだっただろ。今年は150キロ出せよ」。沖山は「ハイ!」と力強くうなずいた。

 伊藤が寮の管理人になったのは7年前。以来、公私ともに若い選手の面倒を見てきた。公式戦の応援は一度も欠かさず、河南球場に練習も見に通う。

 スタンドにはいつも伊藤の姿がある。「気合、入ってないからエラーするんだよ!」。大声で選手にカツを入れることも。

 「社会人といっても20代の若者だから、親御さんが心配して電話をくれたりもする。私生活や性格が野球に反映すると思うから、私も何か感じたら、一人ずつこっそり呼んで恥をかかせないように言ったりもするよ。孫みたいなもんだね」

 1次予選初戦の前々日には寮の選手全員にカツ丼をふるまった。「『うまい、うまい』と言ってくれるとうれしくってさあ。今年はあんなことがあったから絶対、都市対抗に行ってもらいたいね」

 ◆就職で生活一変

 今年のドラフトで注目の沖山は神奈川生まれ。中央大学野球部で活躍後、日本製紙石巻に入った。

 「初めて石巻に行ったのは大学4年生の6月でした。面接のためだったのですが、実は地名もピンとこなかったし、どんなところかも知らなかった」

 仙台から仙石線に乗って石巻に向かう途中、風景が変わっていくのを感じた。「ビルがなくなっていって…。友達も先輩も親戚もいないし、やっていけるかなぁと少し不安になった」

 大都会・東京で大学生活を送った若者にとって、石巻での生活は戸惑うことも多かったに違いない。しかし寮の伊藤をはじめ、町や工場の人々の温かさが心にしみた。

 「震災があって、全国を遠征で回って石巻に帰ってきたとき、ここが僕の第二の故郷になったのを感じました」

 “故郷”の人々に、野球を通して少しでも喜んでもらいたい。「だから今年は絶対、勝つ」=敬称略(亀岡典子)

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 「ウザい」「キモイ」「死ね」。生徒が開設した学校の非公式インターネット掲示板「学校裏サイト」や「プロフ」と呼ばれる自己紹介サイトには残酷な文字が並ぶ。ネットの匿名性を悪用し、いじめる側の顔すらはっきり見えない中での誹謗(ひぼう)中傷。文部科学省の問題行動調査でも3千件の「ネットいじめ」が報告された。

 「うまくすれば不登校になるかも」。平成20年10月、同級生らのプロフに書き込まれたさいたま市の中学3年女子生徒が自殺。19年7月にもプロフに裸の写真を掲載された神戸市の私立高3年の男子生徒が自殺する事件が起きている。

 プロフ同様、いじめの温床になっているのが裏サイトだ。文科省が20年に実施した調査では約3万8千の裏サイトが確認された。東京都教委は21年6月から、公立の小中高校などのネット上の裏サイトやプロフの監視を民間業者に委託。22年度は延べ2310校で約1万2400件の不適切な書き込みが見つかった。

 教育委員会や学校などには、業務の合間にサイトを監視することが困難なことから、民間業者にサイト監視を依頼する傾向にある。サイト開発会社「ガイアックス」(東京)は、事業開始の19年は数校だった監視依頼が現在は1600校に急増した。同社の担当者は「不適切な書き込みを発見すれば、学校側に報告するが、削除しても新たなサイトが立ち上がる。継続した監視が必要」と話す。

 大阪市立大名誉教授(社会病理学)の森田洋司氏は「ネットいじめは被害の拡散も大きく、学校が把握するのが困難になっている」と指摘している。

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